日本のお酒といえは日本酒。風味豊かで種類ごとに様々な味わいを楽しむことができます。料理を美味しくいただくためには日本酒が欠かせないという方もいるのではないでしょうか。
美味しい料理に美味しい日本酒をたしなむ時間… 実に贅沢ですね。
さて、そんな日本酒ですが、もちろん発祥地は日本です。しかし実はとっても深い歴史があります。日本酒が人々に親しまれるようになったのはいつ頃からなのか、そこを探っていこうと思います。
日本酒について知れば、これからもっと日本酒が好きになるかもしれませんね。
目次
日本酒の歴史
日本酒の起源は弥生時代
はるか昔から日本では稲作が盛んでした。そのお米をお酒として使いだしたのは弥生時代であるといわれています。
この頃は酒蔵のようなものがあったわけではなく、加熱した穀物を人間自らが口でよく噛み容器に吐き出し、唾液により発酵させ、一晩以上時間をおいてからお酒として飲む「口嚼(くちかみ)ノ酒」というものが造られていました。映画「君の名は。」でも三葉が実際にやっていましたよね。
個人的な意見を言わせてもらいますと、何が何でも飲みたくないお酒第一位にランクインしております(笑)
起源である日本酒は濁りが強かった
これが日本酒のはじまりであるとされていますが、この頃はまだ誰しもが飲んでいたわけではなく、神事の際に神様にお供えするものとして作られていました。日本酒は神様に捧げるお酒だったのです。
また、古代の日本酒はほとんどが濁り酒というもので、現在の日本酒のように透き通っておらず、飲んだ感じもトロリとしていたようです。
透き通った日本酒のことを「清酒(すみさけ)」といいますが、この清酒が広まったのは平安時代であると考えられています。つまり、今の日本酒の起源は平安時代であるといえます。
僧坊酒の全盛期である中世
やはり基本はお供え用として製造されていた
室町時代から戦国時代の間は「僧坊酒」という、寺で造られていたお酒の全盛期でした。このお酒も神事に捧げるために造られていました。
仏僧たちは酒を飲むことを禁じられていましたが、当時は酒としてではなく薬としてお酒が飲まれていたため多くの寺で僧坊酒が造られました。
またこの頃は日本酒の技術革新がめざましく、「諸白づくり」「寒づくり」「段掛け」とよばれる技術が完成したことにより、質の良い日本酒が多く造られるようになりました。
江戸時代の日本酒
こうして様々な技術革新を経て進化してきた日本酒ですが、江戸時代の頃にはすでに多くの酒屋が登場しており、広く人々に親しまれていました。また、その製造法も現代とほぼ変わらないものです。
酒造りは主に関西で盛んであり、それを江戸に運んでいました(下り酒と呼ばれる)。江戸で飲まれていたお酒の7割がこの下り酒であったといわれています。そのため関東の財政を確保するための改革も行われたほどでした。
この頃には海外との貿易も盛んであり、日本酒も多く輸出され、酒造がひとつの産業として成り立つようになりました。
海外での日本酒の評価が気になるところですね。また海外でのお酒といったらあなたはどんなお酒をイメージしますか?日本酒のような系統で言えば・・・やはりワインではないでしょうか?
ワインの発祥起源とその歴史。世界中のブドウの○割がワインになる。
日本酒の発祥起源まとめ
今回は現代と同じような製造法が確立された江戸時代までの日本酒の歴史を辿ってみました。
昔は神事の際に神様にお供えするものとして造られていた日本酒ですが、その美味しさは昔の人たちもうなるもので、日本酒を美味しく造るための様々な技術を生み出し、どんどん庶民にも広がっていったんですね。
「もやしもん」で一躍有名になった、和歌山の「龍神丸」などあまり知られていない銘酒がまだまだ日本にはあるはずです。日本酒が苦手な人でも飲みたくなるような日本酒が作られていたり、お酒の世界はとても深いですよね。
毎年多くの素晴らしい日本酒が誕生していますが、ここで原点回帰として昔の日本酒をあえて飲んでみるのも楽しそうですね。