大人の嗜好品として人気のワイン。様々な色、風味、香り、年代物などがあり、その魅力は一言では語りきれません。中にはワインセラーを自宅に持っているほどの熱狂的なワインファンの方もいるのではないでしょうか。
毎年ボジョレーヌーボなど新作がでると大きく話題になりますよね。今でこそ世界中に広まっていますが、ワインの発祥起源はもちろん日本ではありません。ワインといえばヨーロッパというイメージも強いですが、実はヨーロッパでもありません。
ではワインの発祥起源地はどこで、どのように世界中に広まっていったのか、その起源を探っていこうと思います。
ワインの歴史を遡る
ワインの始まりは紀元前
なんとワインの歴史は紀元前にまで遡ります。およそ8000年前には現在のジョージアがあるコーカサス山脈でワインが飲まれていたと考えられています。
というのも、ワインの原料であるブドウがジョージアには非常に多く繁茂しており、そのブドウを食べるために貯蔵していたものが自然と発酵して飲んでみたら美味しかったというのがワインのはじまりだといわれています。
文献として最も古いものは、およそ6000年~7000年前のメソポタミア文明の頃のことが書かれている「ギルガメッシュ叙事詩」です。大洪水に備えて船を建造していた水夫たちのためにワインが振舞われたと記録されています。
また5100年~3500年ほど前に栄えたエジプト文明の壁画にも、ワインの圧搾機や壺などワインが親しまれていた様子が描かれています。ワインは西洋から伝わったものではなく、東から西へと長い時間をかけて伝わっていったんですね。
ワインの普及
ワインの普及に貢献したのはフェニキア人
フェニキア人は現在のレバノンに位置する海岸沿いを拠点としていました。このレバノンはジョージアとは少し離れていますが、長い時間をかけてレバノンにもワインが伝わってきたのでしょう。
レバノンはワインの生産がしやすい環境でもあったため、フェニキア人は世界初のワイン商人として活躍し、ワインをヨーロッパに広く伝えていきました。
余談ですが、昔はワインを水割りで飲むのが一般的でした。今ではあまり考えにくいですね。一体どんな味がしたのか気になります。
ワインとキリスト教の関係
西暦1000年ごろ、多くの文化や芸術がキリスト教に捧げられていました。ワインもまたその中の一つであり、「キリストの血」とよばれ、大変神聖なものとして扱われていました。
現在でもキリスト教の日曜の礼拝の際には「キリストの血」とされるワインと、「キリストの肉体」とされるパンを配る教派もあるようです。
そのような経緯もあり、修道院や教会ではブドウ畑を次々と作り出し、ワインの製造も非常に盛んに行われていました。
現在販売されている瓶詰されてコルクで栓をしたワインの形はこの頃に発明されました。
宗教上の理由で嗜好品が普及していく事も文化ではありえます。もともとは儀式に使用されていたものなんて事もあるんですね。具体的に言えば「タバコ」などです。
よければ嗜好品の代表であるタバコの起源も読んでみてくださいね。
ワインの発祥起源や歴史まとめ
- ワインの歴史は紀元前
- ジョージアにブドウが多く繁茂、そのブドウを貯蔵していたものが自然と発酵して出来た
- 文献として最も古いものは「ギルガメッシュ叙事詩」
- 5100年~3500年ほど前に栄えたエジプト文明の壁画にもワインが描かれている
- フェニキア人が世界初のワイン商人として活躍、ワインをヨーロッパに持ちこむ
- 昔はワインを水割りで飲むのが一般的だった
- 世界中のブドウの9割がワイン製造に使用されている
こうしてヨーロッパに広まっていったワインは16世紀の大航海時代を経て世界中に広がりました。現在ではヨーロッパだけではなく多くの国がその国独自のオリジナルのワインを製造しています。
なんと世界中のブドウの9割!!がワインのために使われているというから驚きです。
ワインには非常に深い歴史がありました。そんな歴史を感じながら様々なワインを飲んでみるのも楽しそうですね。