世の中にはどう考えても関係のない名称が通称とされている物があります。
その中で、世間的に認知されて誰もが使った事のある物だとコレがありますね。
大学ノート
大学ノートの由来をご存知でしょうか。またその大学ノートと言えばKOKUYOのCampusノートが大学ノートの代名詞となっていますが
中国に模倣製品があり、KOKUYO自身が神がかり対応をしたことはご存知でしょうか。
では早速大学ノートの秘密に密着していきましょう。
目次
大学ノートの由来
優秀な学生が使う物説
当時発売されていたノートブックというのは、アメリカから輸入された洋紙という珍しい素材でできていました。そしてあなたが当たり前に所有しているノートブック・・・今では信じられないですがとても高価な物でした。
そんな高価な紙を使えるのは帝国大(現在の東京大学)の学生でもないと使えない。と言われており、これが「大学」と「ノート」が繋がって一つの名称となったとする説です。
でも高価と言ってもそんな手が出ない程ではないんじゃない?と思われましたか?知れば正直目が飛び出る思いをしますよ・・・?(笑)
そもそも現代と明治30年の相場を比べると・・・現代は
約3800倍程貨幣価値が低下というか物価が上昇しています。この時点で引きます。(笑)
更に簡単に表現すると、1円で現代の2~3万円程の価値があると推測でき、明治初期か後期かで価値は大きく変わりますが、明治30年頃で警察官の初任給が8~9円。まずここをおさえます。
大学ノートの値段が昭和初期のデータしか見つからず、推察にすぎませんが昭和初期の大学ノートの値段は30銭。さらに明治初期から昭和初期にかけて物価は約4倍上昇しています。
そこから単純に計算すると明治初期のノートブックは8銭程だったと設定できます。そして明治初期の1円は現代の約2万円、1円は100銭なので・・・ここから考えると当時のノートブックは現代相場で言えば・・・
1500円以上の物でしょう。
計算としては2万円÷100×8=1600円・・・ノート1冊ですよ?私なら安物の紙を使います。10冊買ったら1万6千円ですよ?そんな簡単にポンポン買えませんね。
そんなお金があれば、COCOSで熟成サーロインステーキをたくさん食べる事が出来ます!
大学の近くで販売開始説
ここでもうひとつの説ですが、キーとなるのが両説とも帝国大、つまり現在の東京大学が出てくるんですね。
帝国大の前にある洋書・文具店の「松屋」が洋式ノートブックを作成し販売。そのノートブックが飛ぶように売れ、学生達の間で「大学ノート」という呼称がささやかれ始めました。
それに目を付けた丸善が「大学ノート」として製品を作り、全国に普及していった、とする説です。
つまり、丸善のお話は「普及の起源」であり大学ノートの名称の由来としては、
大学の前の文具店で売られていた使い勝手のいいノートブックを学生達が「大学ノート」と呼び始めた。
という事ですね。学生のような若い人達は、何かと単語を作り出すセンスに長けている為、「大学生向けノート」や「大学用ノート」などの言葉があれば「大学ノート」と呼んでも何ら不思議はありませんね。
今の大学生はノートを使っているんでしょうか?私の世代では、ルーズリーフがよく使われていた記憶がありますね。古い記憶ですが・・・(笑)
中国製コクヨCampusがある?
中国の模倣はもはやイチ文化
何かと「これ見たことあるけどなんかオシイな・・・」の量産プロフェッショナルの中国ですが、コクヨのCampusノートを見事にコピーしてくれました。その名も
Gambol(ギャンボル)
もう筆跡を真似てかつとてつもないキャッチーなフレーズを生むハイセンスな所に脱帽です。本当に嫌味なしに、この国凄いんじゃないですかね。発想力。
そもそも東洋医学とか、料理、武術だって、歴史があって且つとことん突き詰めている文化もありますからね。とまあ私が褒めたところで、Campusを販売しているコクヨからすれば
「どう考えてもウチのと被ってややこしいよ!」となりますよね。人によっては大激怒で大きな問題に発展する事すらあり得ます。
人によっては・・・・?そうです。コクヨさんは激怒などせず紳士的でありながら大胆な作戦で事を鎮めたんです。
買収という名の圧倒的鎮圧
ということで、コクヨCampusのコピー品、Gambolを販売していた中国文具メーカー『何如文化用品』を2011年に買収してしまいます。
経緯として簡単に説明すると以下のようになります。
- コクヨ、Campusを中国市場に展開したい
- コピー品Gambol、中国市場の圧倒的地位を確保済
- コクヨ、Gambolによって思うように中国展開できない
- コクヨ、「じゃあGambolウチのにしようよ」
- コクヨ、結果的にGambolにて中国市場を圧倒
コクヨさんの柔軟性と寛大さが偉大過ぎて敬服いたします。さらにコクヨ独自でギャンボルブランドの方眼罫用紙もラインナップに加えています。完全にギャンボルを受け入れていますね。
大学ノートの由来まとめ
大学ノートには2説の由来がありました。ここでまとめると
- 当時高価なノートブックは東大生ほど優れていないと、勿体なくて使う事は出来なかった為、「大学ノート」となった。
- 東京大学前の文具店で発売され、大学生の間で「大学ノート」と呼ばれるようになった為。
この2説を知った上でじっくり考えると、キーワードとして【東京大学】がありますね。つまり、由来の発祥地としてはすごく狭いエリアだったという事。
そこから全国的に大学ノートの名前を広めるきっかけは、丸善が大学ノートの噂を聞きつけ製品化した為、でした。
この噂はどのように丸善の耳に入ったのでしょうか。
「東大生位じゃないと使うのが勿体ないと言われているノートブックが飛ぶように売れているらしいぞ!」となるでしょうか・・・?
「大学の前の文具店で売られてるノートブックが大学生にウケてるらしいぞ!」の方が自然ではないでしょうか。そして丸善社員が、この話を聞いたとすれば、学生間で「大学ノート」と呼ばれている事を知るのはごく自然な流れと思えます。
大学ノートの由来を知る事ができましたが、調べていくうちにいつの間にかコクヨさんの器の大きさに衝撃を受けて、そっちの内容を主軸に置きたくなるほどでした。(笑)
これくらいの大きな器で誰に対しても接する事が出来る人が増えれば大袈裟な話、戦争なんてものも減少していくのかもしれませんね。