まな板のマナの意味って何?昔の物の呼び方に由来がある。

あなたは良く料理をしますか?すべて外食かインスタントですか?

私は良く料理をするので非常になじみ深い道具なのですが、よくよく意味を考えたことはありません。

まな板

板は分かるけど・・・まなって何ですかと。誰でも思いますよね。まな板の「まな」ってどんな意味があるのでしょう。

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昔の物の呼びわけが起源

江戸時代ですら魚というものは非常に贅沢な食材で、下級武士としてお給料をもらえる身分であったとしても月に2~3回しか食べる事ができませんでした。

そしてその当時は野菜の事を「菜(な)」と呼んでいました。水菜、小松菜など菜のつく野菜が多い事からこれは疑う余地はありませんね。またおかず全てを「菜」と呼ぶ風習もあります。食材が何であろうが○菜と数える文化が残っていますよね。

そして魚はというと、これまた「な」と呼んでいました。魚を「な」と呼んでいる表現は【古事記】でもう出現しているほどです。

しかし両方が「な」という呼び方であればややこしい事から接頭語の「真(ま)」をつけて魚の事を「真魚(まな)」と呼ぶようになりました。

赤ちゃんの100日祝いでもあるお食い初めも別名「まなはじめ」と呼ばれており、この【まな】はもちろん魚を指しています。

まなはじめの言葉が出てきた頃は、やっと一般家庭でも魚が入手しやすい食材となった時代となり、お食い初めという言葉より歴史は浅いです。といっても古い言葉ですが・・・(笑)

お食い初めの起源と意味を知って深い愛情を。海外も近似風習がある。

キッチンで野菜を切る若い女性

なぜ俎板という漢字なのか

この見慣れない漢字、「俎」を「まな」と読みます。この漢字は中国由来の漢字で、意味としては肉や魚を積上げて料理する台の事を指します。

また「俎」一文字で「まないた」と読むこともできます。パソコンが目の前にある方は是非、変換して試してみたください。

そしてこの中国からお借りした「俎」、偏が「肉」を、旁が「台」を意味しています。なぜそのような漢字の構成にしたのでしょうか。

漢字の意味は俎板の使用法にある

肉を切る台だから別に疑問は無いのでは?とも考えられますが、一歩踏み込むと更に物の起源や由来を深く感じる事が出来ます。

ではなぜ俎なのか。古代中国では、お供え物を乗せる台としても使われていました。

そして日本でも、中国から漢字だけを拝借したのではなく、使用方法も文化的に似ています。古代の中国でも日本でも、食材は神様に供える贄として取り扱われていました。

高価な魚もその限りではありません。魚をまな板の上で調理して、そのまま神前にお供えする文化が日本にはあります。

そして俎板という漢字自体にも「供物を乗せる台」という意味が充てられています。つまり、俎板の上で調理した食材をそのまま神様へお供えする際の台として使われていました。

昔の俎板にはその使用方法の為の「ある特徴」がありました。

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俎板に足があった意味

神へのお供え物を直置きできない

昔の日本の生活は、あなたもイメージがつく通り基本的に「床座」で生活します。つまり「地べた」で人は生活してきました。

しかし神様への供物を地べたに置くわけにはいきませんよね。礼儀を重んじる日本人は神様へのお供え物として俎板に足をつけ、供え台として利用していたという事です。

しかしそれだけではなく俎板の足には他の機能性も考えられていました。日本人は昔から非常に賢く、工夫に富んだ人種だったんですね。

床座暮らしに足の由来がある

前項の通り、日本人は基本的に地べたに座り、低い机を使い、屈んで生活をしてきました。

今ではキッチンはオーダーすればオーナーの慎重に最適な高さまで調節できますが、昔の日本にそんなものはありません。調理場の地べたにまな板を置くか座敷にまな板を置いて、その上で野菜や魚を捌いていました。

よく考えてみれば洗濯ものだってそうです。昔は屈んだ状態で洗濯板を使い、一生懸命洗濯をしていましたね。

しかしどんな文化を持っていても人類は人類、要するに非常に疲れるんです。(笑)想像してみてください。あなたの家のキッチンに台が無く、地べたにまな板を置いて生活する状況を。

一日で腰がやられそうですよね。(笑)そういったわけで少しでも身を屈める角度を緩やかにしようと俎板に足がつき、台が上へ上がる形状になりました。

これが昔の俎板に足があった理由です。今ではほとんど必要のない足ですが、考えてみれば今の時代はとても便利になったものです。

そう考えれば、「これなんか使いにくいな」というものでさえ贅沢だと思えますよね。全ての物に感謝感謝です。

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