「ワイシャツ」の語源と由来。言語の違いが生んだ絶妙のネーミング。

カジュアルな着こなしにも、フォーマルな着こなしでも定番となったファッションアイテム

「Yシャツ」

このワイシャツ、シャツは分かるけど「ワイ」の意味って何?と思った事はありませんか?また、実はあまり知られていないワイシャツ本来の用途、ご存知でしょうか。

「ワイ」の意味、なぜそう呼ばれるかなんとなくイメージはできるけど何故そうなったかまではちょっと・・・

といったあなたの「何故」を少しでも解消できるようにまとめました。

それでは「ワイシャツ」の語源に由来に早速近づいてみましょう。

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ワイシャツ、日本初上陸時のエピソード

明治6年、1873年に日本における「ワイシャツ」のネーミングは生まれました。

港町横浜で、18歳の青年石川清右衛門が西欧人から「White Shirt」と言って白いシャツを渡されました。この発音を清右衛門が「Yシャツ」と聞き違えた事で日本では、この白シャツを「ワイシャツ」と呼ぶようになりました。

ボタンを外した襟の形がYの字に見えることが理由だと誤解されたまま、日本ではごく自然と「Yシャツ」の呼び名が定着しました。

同じシャツでカッターシャツと呼ばれるものがミズノから発売されてます。

由来は「勝ったー シャツ」のダジャレからです。呼び方は違いますが、Yシャツとの違いはなく、ミズノの商品名、登録商標となります。

ちなみに同じアルファベットで呼ばれるTシャツの方は文字通り、広げた形がTの字に似ていることが由来との説が一番有力です。Training Shirt からきてるとの説もあります。

ワイシャツを着た外国人男性

ワイシャツ本来の使用用途

生まれた目的が現在と異なっていた

ワイシャツは今でこそビジネススーツと併せて着用するイメージが最も強いと思いますが、ワイシャツ誕生当初は全く違う目的で使用されていたんです。実は、

ワイシャツ、元々はインナーでした。ワイシャツに白が多いのはその為です。

世ヨーロッパにおいて、ワイシャツは元々は男女兼用の下着でした。ワイシャツの前後の裾はU字型に長くなってますね。また、一番下のボタンが余っているのにも気づくと思いますが、そのボタンで裾の前と後ろを留めることで、上下のインナーとして着用していたのです。
インナーであったことから、その色が長く清潔感のある白でした。

ヨーロッパの男性は1930年代になって、ブリーフやトランクスができるまでは、この方法で下半身も覆ってました。

「Yシャツ」という呼び名が定着するまでは、この様に元々が下着であったことから、日本では「白襦袢(しろじゅばん)」と呼ばれていました。白襦袢とは着物の下に着用する和式インナーの事です。

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袖にボタンが付いている理由

カフスにボタンがあるのは、取り外して洗濯したり、バリエーションを工夫する為の名残りです。

襟も同様に取り外しできたのですが、それでは、襟にボタンが付いている「ボタンダウンシャツ」がその名残かというとそうではありません。

ボタンダウンシャツはポロの競技でスティックが襟に当たることをさける為に考案されたものです。そういう歴史から基本的にはボタンダウンはラフな着こなしにそぐったシャツとなります。

今ではカラフルになったワイシャツ

前述の通り「Yシャツ」は「ホワイトシャツ」の聞き間違いからきています。

本来の発音から考えると、カラフルな「ホワイトシャツ」は、あり得ませんでした。ホワイトではなくなってしまいますからね。(笑)

英語圏では現在でも、カラフルな「White Shirt」は意味が通りません。

日本では独自に「Yシャツ」としての発展を遂げてきた事で、現在では様々な色やデザインの「Yシャツ」が人気を博しています。

例えば、ボタンダウンシャツは本来はカジュアルなシャツとして発展してきたので、ビジネスシーンではそぐわないとのスタンスもあります。

けれど、近年の所謂「クールビズ」でネクタイを外して着る場合、むしろデザイン的な安定を保てるので「ビジネスシャツ」としての位置を占めるようになってきています。その為、ボタンダウンの「Yシャツ」というものも登場しています。

勿論、日本独自の見解の「ワイシャツ」なのでカラーは白に限りません。

ワイシャツの語源、由来まとめ

ファッションの歴史には諸説あります。今回の記事は比較的オーソドックスな「ワイシャツ」の由来となります。

古くヨーロッパでは「ワイシャツ」は男女兼用のインナーでした。それが主要因となり、カラーは基本的に清潔感ある白が採用されていました。
日本に入ってきた時、西洋人の発音「White Shirt」を聞き違えた事で日本では「Yシャツ」と呼ばれるようになりました。
「Yシャツ」との認識が広まった為、色が白という事に限定されない、自由なアイテムとして発展してきました。
現在では様々なビジネスシーンに対応した多様な男性用のアイテムとなっています。

それぞれの多様性の要因として、「ホワイト」のネイティブ発音を「ワイ」と聞き間違えて捉えた進化の結果と考えると物事の歴史の経過は本当に面白いですね!

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