お店で食べる本格的な焼き肉、バーベキューなどでワイワイと食べる焼き肉、自宅で食べるほのぼのとした焼き肉、どれも最高ですね。
私達が食べている焼き肉って、一体いつから、どのようにして食べられるようになったのでしょうか?
焼き肉の起源についてお伝えします。
目次
焼き肉の起源は諸説ある
韓国で発祥したという説
1910年、日本が韓国併合した時に、日本の肉文化と朝鮮の肉文化が融合して、客が自ら肉を焼いて食べるというスタイルが朝鮮半島でできた、という説があります。
また1930年代には、当時ソウルで流行っていたカルビ焼きやプルコギなど「その場で焼いて食べる」スタイルが朝鮮にあったとの説があります。
韓国よりも前に日本で食べられていたという説
明治時代以前より、日本人は山間部を中心に、鳥やイノシシなどの鳥獣類を狩り、その肉を直火で焼いて食べていました。また、戦前より牛や豚の内臓を使ったモツ煮込みや、モツ焼き(串に刺して焼く)を食べていたとされています。
1930年台に、朝鮮人が大阪にて焼き肉を誕生させたという説
1930年代、朝鮮南部より大阪に移住した朝鮮人によりカルビ焼きとプルコギが伝わり、当時日本で流行していたジンギスカンの「客が自分で焼いて食べる」スタイルとカルビ焼き・プルコギが融合して、焼き肉の誕生となった、という説があります。
焼肉の起源は複数の説があり、朝鮮半島が起源である説で確定ではありませんが中国や韓国から食文化が輸入されるケースは多く、眉唾と一蹴できないものがありますよね。
韓国と日本の焼き肉には違いがある?
韓国では、店員がお肉を焼いて客に食べさせるスタイル
韓国では、お肉は骨付きで切っていない状態で運ばれてきて、炭火で熟された網の上に置き、焼きます。お肉が半分くらい焼けたら、店員がハサミで肉を切ってくれます。
お店によってはハサミを渡してくれて自分の好みの大きさにセルフでカットする場合もあります。基本は一口大のお肉が出てくるのではなくセルフでカットするスタイルです。
日本では、客が自分で焼いて、食べるスタイル
日本では、店員が持ってきたお肉を、客が自分のペースで焼いて食べます。
これは日本人特有のマメで献身的な国民性が出ているのかもしれません。お客様の手を極力煩わせないようにするためのサービス精神から生まれたスタイルとも言えます。
意外にも、焼き肉の起源は新しい!
焼肉は戦前・戦後に誕生した新しいメニュー
これは発祥起源とは異なり、現在の焼肉店のスタイルの発祥起源になります。
戦後の食糧難の中で、朝鮮人が、日本人が捨てていた牛や豚の内臓を直火で焼いて屋台で売りました。このホルモン焼きが人気となり、やがて店舗を構えて、ロースやカルビといった生肉も取り入れて、現在の焼き肉店の形となりました。
今では、日本の焼き肉屋業務用品が韓国に輸出されている
焼き肉は、1950年代後半から60年代にかけて、一躍人気メニューとなりました。
さらに「焼き肉のたれ」が商品化され大ヒットとなったこと、焼き肉店で煙を吸う「無煙ロースター」が開発・導入されたことから、焼き肉は日本で愛される食べ物となりました。
1980年代に現在の焼き肉屋のスタイルが確立され、「つけだれ」の食べ方や無煙ロースターは、現在、韓国に輸出されるまでになりました。
既存の道具の利便性を追求し、進化させることに長けた日本人。今後の道具がどのように進化していくのかも楽しみですよね。
道具の進化は素晴らしい事なのですが、個人的には「ベストな焼き具合」を見極めるのも楽しみのひとつだと思っているので、なんでも自動化が進んでいる近代の流れをくんだ「全自動焼肉機」のような物が普及しない事を願ったりもする次第であります。(笑)