体調が悪い時に食べたくなる「おじや」。「おかゆ」だったり、「雑炊」と呼ぶ人も多いかと思います。なかなか食欲がわかない時でもおじやにして食べたら、なんだか少し元気がでてきますよね。
小さいころにお母さんに作ってもらった思い出がある方も多いのではないでしょうか。ところで、おじやの意味って知っていますか?
おかゆや雑炊など似たようなものがいくつかありますが、それぞれに違いはあるのでしょうか。今回は体調不良の救世主「おじや」について調べていきましょう。
おじやの語源
おじや=雑炊
ズバリ、おじやとは雑炊のことです。呼び方こそ異なるものの、おじやも雑炊も同じものを指します。
ちなみに雑炊の語源は「増水」からきています。お米に調味料や具材をいれて多めに水を含ませ再び炊き上げたものを雑炊といいますよね。昔は現在のように豊富にお米があったわけではありません。そこで雑炊にすることで量を増やしてお腹を満たしていたそうです。
様々な具材をいれて炊きなおしていたことから、文字が当てられ「雑炊」となりました。
ではなぜ雑炊のことをおじやと呼ぶのかを次項でお話しします。
おじやは女房言葉
なぜ雑炊をおじやと呼ぶのか。それは「音」が関係しています。雑炊が煮える音が「じやじや」と聞こえたからなんです。その音に丁寧語の「お」をつけ「おじや」と呼ばれるようになりました。
おじやは雑炊の女房言葉であるといわれています。女房言葉とは室町時代から宮中に使える女性たちが使い始めた言葉で、上品で丁寧な言葉遣いであることが特徴です。おじやは雑炊を丁寧にいったものというところでしょうか。
擬音のようなものが語源となることは言語の世界では多くありますね。以前紹介した「うざいの語源」も元をたどれば擬音が元ネタとなっていました。是非あわせて読んでみてください。
「うざい」の語源とその意味。ちょっと可愛い響きな元の言葉が出てきた。
おじやとおかゆとリゾットの違い
おじや(雑炊)とおかゆの違い
おじやについてわかってきたところで、おじやに似たものであるおかゆ・リゾットとの違いについてご紹介します。
おかゆはおじやと似ていますが、おじやには鍋の残り汁や様々な具材が入れられるのに対して、おかゆはもっとシンプルなものです。おかゆの味付けといえば塩が一般的ですよね。
つまりおじやのシンプルバージョンがおかゆということですね。
おじやとリゾットの違い
さて、ではリゾットはどういったものかといいますと、リゾットとはイタリア料理です。
お米をバターで炒め、スープとサフランを加えて煮て、味を染み込ませたものです。リゾットとおじやとの大きな違いはその硬さにあります。おじややおかゆは芯が残らないくらいふにゃふにゃに煮込むのに対して、リゾットは少し芯が残るくらいの硬さにします。
おかゆと違い、リゾットはおじやと明確な違いがあったのですね。発祥の地が外国ですから当然といえばそうなのですが、同じ「お米を煮る」という料理でも様々なものがあって奥深いですよね。
おじやの意味、語源まとめ
おじやの語源から、似た料理との違いなどを調べてきました。
- おじや=雑炊
- 雑炊の語源は「増水」
- 雑炊が煮える音が「じやじや」と聞こえ、丁寧語の「お」をつけ「おじや」
- おじやは雑炊の女房言葉
- 女房言葉とは室町時代から宮中に使える女性たちが使い始めた言葉で、上品で丁寧な言葉遣い
- おじやのシンプルバージョンがおかゆ
- リゾットとおじやとの大きな違いはその硬さで、おじややおかゆは芯が無いのに対して、リゾットは少し芯が残るくらいの硬さ
おじや=雑炊であり、おかゆはおじやのシンプル版、リゾットは全く違う料理であることがわかりました。どれもお米を煮て作った料理ですので消化が良いです。
体調が悪い時はなかなか食欲がわかないかもしれませんが、その時の気分に合わせてお米をおじやにして具材を変えてみたり、シンプルにおかゆにしたり、おしゃれにリゾットにすることで、気分だけでも少しずつ元気にしていけたら素敵ですね。