みなさま会社勤めの方は、夏と冬が待ち遠しくも感じているのではないでしょうか。その理由は単純明快で
賞与の支給
がありますよね。もちろん賞与なんてない!という会社の方もおられると思いますし、外資系なら年俸制の為、給与とは別枠支給の賞与というお得感を感じにくい給与形態の方もいらっしゃると思います。
この「賞与」は言い換えて「ボーナス」と呼ばれることもありますよね。賞与とボーナスの違いや差はあるの?いや一緒でしょ?そんな時は起源や由来を遡りましょう。
面白い事実が見えてきます。
目次
賞与の起源と制度の歴史
賞与の起源は江戸時代
この賞与というシステム。見て分かる通り日本語です。この賞与とは英語を日本語訳した物でもなんでもなく、日本で生まれたシステムに日本語を充てたものです。
この賞与というシステムが始まったのは遡れば江戸時代になります。当時の賞与は、まず呼び方が異なります。江戸時代当初は【仕着せ】と呼ばれていました。
なぜこの漢字なのか。この言葉は何を指すのかと言いますと、江戸時代の商人が奉公人、つまり従業員に対して、お盆と年が暮れるころに衣服を支給、もしくは衣服を買う金銭を渡していた為です。
そしてこれが現代に生きる賞与の起源となります。それから時代を経て衣服であったものが「冬は餅代」、「夏は氷代」であった時代もあります。
賞与額が少ない場合「餅代にもならない」という言葉が現代にも生きている事から「賞与=餅代」の時代があった文化が、影が薄いながらも残っていますね。
そして賞与は最終的に金銭での支給が主流となっていきました。素直に今の時代に生まれてきてよかったなと感じます。
自分の好みでもない服や餅を渡されるなら、お金をもらって好きな物を買ったり食べたりする方が有意義に感じませんか?(笑)
賞与とは日本独自制度
賞与は日本が制定した制度であり、海外では実に様々な給与意外の報酬制度があります。日本では賞与を出すと決めている会社は「全従業員に」、「決まった時期に」支給し、細かな取り決めを就業規則に記載する事が義務付けられています。
そして賞与の支給は労働基準法上の義務ではない為、「会社が一方的に決める事が出来ます」。つまり就業規則に賞与は会社業績に準じて支給等の表現で書かれていますよね。
これはつまり業績が悪くなれば支給しない時もあるよ。という「支払わない選択もあり」という保険をかけてるんですね。
日本初の賞与支給企業はどこ?
これは諸説ありますが、サラリーマンに支払う様な一般的にイメージしやすい賞与が日本で初めて支給されたのは1876年(明治9年)三菱会社がライバル海運企業から航路を守り、ライバル社を航路から撤退させた社員の奮闘を称え、支給したものとされています。
しかしこれはあくまで奮闘を称えての支給であり、現在の年2回(もしくは1回)決まった時期に支給される賞与ではありませんでした。
毎年同じ時期に支給される現代の賞与の形になったのは、三菱社誌による記載からすると、明治21年から制定されました。
最初は一定期間での支給ではなく、経営者が社員に感謝と奮闘を称え敬意を表する為の「気持ち」だったんですね。
賞与とは「賞」を「与」える
賞与とは、この漢字のままの意味なんです。安心してください。「一体どういう事?」と思われるのは承知ですので説明させてくださいね。
「賞」というのはどういう事かと言いますと【功績を称える物】と言う事ですよね。そして「与」とはその文字通り【与える】事ですよね。
つまりこの意味を合体させたものが賞与の意味で、【功績を称え、与える物】と言う事です。
つまり「頑張った人には多く渡し、努力が足りない人は減額する」といった事が起こると言う事です。
この日本で生まれた制度は金銭での支給が基本となっています。ではボーナスと賞与の差は一体どんなものでしょうか。
ボーナスの由来は神様から
ボーナスの語源と由来
ボーナスという単語は英語になります。そしてこのボーナスの元となった言葉は英語の起源でも触れましたラテン語から始まっています。
英語の起源。語源は複数県語との混合。何カ国語なのでしょうか?
そのラテン語に【ボヌス】という言葉があり、詳細はといいますとこのボヌスはローマ神話に登場する、成功と収穫の神様である「ボヌス・エヴェントス」から来ています。
勘のいい方は気づかれたかもしれません。そうです。ボーナスとは
ボーナス(ボヌス)神から与えられた神からの特別な賜物と言う事です。海外らしいロマンを感じる由来がありますよね。そしてボーナス自体が持つ意味としては「財産」という意味があります。
更に日本生まれのカッチリとした賞与とは違い、ボーナスには国によって実に多様な支給方法があります。次にそちらにフォーカスをあててみましょう。
海外のボーナスの扱い
本当に様々でここで明確に賞与とボーナスの違いが分かれる事になります。では早速見ていきましょう。
賞与とは前述通り「功績を称え与える物」であり、個人によって金額は変動します。そして組織の誰しもに支給されます。
ボーナスは国によって異なりアメリカでは管理職や高位職でなければ貰う事は出来ない体制が多く、もらえる人はなんとボーナスだけで年収の50%相当額をもらえる場合もあります。他にイタリアでは皆に給与一カ月分を平等に支給するとされています。そしてここからがボーナスの真髄です。
中国では車や不動産など、金銭以外の場合もある。
という事です。そしてボーナスの意味と繋げると明確な賞与との違いが理解しやすくなると思います。賞与とは「金銭」での支給でした。ボーナスは「財産」ですね。
つまり「金銭」である必要はなく【財産価値のあるものが支給される事もあるのがボーナス】です。
食料や飲料が支給される場合もあり、ボーナスは語源通りまさに神からの恵みといったテイストが強くなっていますね。
賞与とボーナスまとめ
いかがでしょうか。起源や由来を探れば同一とみなしている物も実は異なるものであると理解しやすくなりますね!ここで最後に賞与とボーナスの差や違いをまとめておきます。
賞与
- 日本語
- 功績を称え与える物である事から個人の貢献度によって増減がある
- 組織内の人員全てに支給される
- 金銭による支給
ボーナス
- 英語(ラテン語)
- ボーナスの元の意味通り「財産」を意味する
- 組織内の一部職位の高い人間だけがもらえる体制もある
- 金銭以外に「資産価値のあるもので支給する場合がある」(車・不動産等)
あなたはどちらがいいでしょうか。車が欲しい人はボーナスで車をくれないかなあ!とか新築の家に住みたい!なんて気持ちが芽生えるかもしれません。
そして場合によっては金銭で支給されるよりも実質、もっと金額的に大きな価値をもらえる場合があることからどっちがいい!とは決め難いものがありますね。私なら・・・うーん・・・ご多分にもれず迷ってしまいますね・・・(笑)