みなさん、誰しもが聞いた事、言われた事、言った事があるのではないでしょうか。
図星という言葉。
なんとなく言いたい事や意味している事は伝わりますが、本当の意味や、なぜ図星といわれるのかご存知でしょうか。
当たり前のように小説でも、漫画でも、ゲームでも、日常会話でも使う「図星」に込められた意味と語源を知ってみましょう。
図星の語源は武道から?
「図星」という言葉を辞典で調べるとこのように記されています。
- 狙ったところ、思ったところ、急所。
- 相手の考え方や心の内をあてること。
などという意味があります。
さてそれではまず最初に、なぜこのような意味を「図星」というようになったのでしょう。今回はこの「図星」について調べてみました。
図星弓道説
まず一つ目の説ですが、「図星」は弓道から生まれた言葉ではないかと言われています。弓道とは弓で矢を放ち遠くの的にその弓を当てる武道です。
矢が放たれる先には丸い的があります。この的には星的と霞的という2種類の的がありますが、そのうちの星的には、中心部に黒い大きな点が描かれています。
その黒い点のことを星と言います。矢を放つ場所から的までは30メートルほどの長い距離があり、その先の的に矢を当てることは簡単ではありません。
しかもその中心部分に限定すればなおさらです。その難しい中心部分の星に矢が見事に当てることを「図星」というようになったそうです。
確かに「図星」の意味は、狙ったところ、思ったところという意味を持ちますので、そこか
ら考えてみても矢が中心の黒い星に当たること、つまり的を射るということから「図星」の意味することがその通りだということを納得できると思います。
図星とツボ 語呂も似ているもう一説
次に二つ目の説ですが、「図星」という言葉は弓道ではなく図法師から来ているという説があります。図法師とは、昔に医術者のために人体の絵にそれぞれの個所に点在するツボを描いた図です。
ツボの点在個所を書く人ではなくその名の通り、あくまで「図面」ですね。
医術者はこの図法師を見ながら病気を患っている病人の症状に合わせて効果的なツボを押して治療を行っていました。
このツボを押す行為から「図星」という言葉が生まれたとも言われているそうです。
この説もまた、狙ったツボ(急所)を押して病気を治すという目的から、狙ったところ、思ったところという「図星」の意味に合致します。
この「図星」という言葉は江戸時代にはすでに使われていたそうで歴史を感じさせます。そんな昔の人と同じ言葉を、自分達が現代で使っているなんてとても感慨深いですね。
図星は心のツボなのかも
どうでしたか?
今回は「図星」の語源について調べてみました。
人は他の人と話をしているときに「図星」を突かれると動揺したり、怒り出したりと感情を揺り動かされることが多々あります。
皆さんはそういう場面に出会ったことはありませんか?もしくは自分が図星を突かれたことはありませんか?
これは「図星」の意味にもあるようにその「図星」を言われた人は、後ろめたいことだったり隠しておきたいことだったりと本人の弱い部分(急所)を突かれたからでしょう。
その人との良好な関係を続ける必要がある場合は、「図星」を突く必要に迫られたら、やみくもにするのではなくて時と場合を考えたほうがいいですね。