ゲーム機通信対戦の発祥。起源はあのゲーム。版権戦争が泥沼過ぎる。

あなたはゲームをプレイする人でしょうか?ゲームマニア?それとも全くしませんか?
全くプレイしない人でも昨今のゲーム機は当たり前のように通信が可能な事は知ってますよね。

スマートフォンでも多くの人と協力、対戦が出来る時代になりました。
この当たり前の通信対戦の発祥はどこかご存知でしょうか。この通信対戦の起源はゲームに興味がない人でも絶対に知ってるあのゲームなんです。
今日はエンターテインメントの世界を旅してみましょう。

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ゲームを大きく変えた任天堂

通信対戦の起源はやはり携帯ゲーム

今はスマートフォンが旧世代のゲーム機を超えている現実から、過去の名機を知らない人も多くなったと思います。

本記事のポイントである、現代では当たり前の通信対戦。

発祥はゲームボーイになります。

当時はゲームボーイ2台をつないで機器間通信を行うスタイル。遠く離れた人とのオンラインプレイに慣れた現代人にはあり得ない不便さだと思いますが、当時はとてつもなくゲームプレイを熱くさせたシステムでした。

初の通信対戦ゲームソフト

任天堂ハードのゲームボーイに搭載された通信機能、そしてその機能を使って初の通信対戦を実現させたゲームソフトはこれまた任天堂の

テトリスです。

本当に偉大なゲームソフトメーカーですね。どのようなルールが適応されたかというと、あなたもご存じな、「ブロックを消すことで相手の画面に余計なブロックを落とし、邪魔をする。」というシンプルな物。

しかし人は性質なのでしょうか、いたずらが大好きな生き物です。一人でも十分中毒性のあるテトリスに更に大きなスパイスを与えました。

そしてこんなケーブルを使ったシンプルな通信システムは後にさらに大きな功績をもたらします。こちらもテトリス同様世界的大ヒットとなり、現在もシリーズが続いている

ポケットモンスターです。

ポケモンの通信交換、及び通信対戦は世界中で人々を熱狂させ、通信交換でないと手に入らないモンスターを用意するなど「人とつながるゲーム」がどんどん発展していったんですね。

そしてポケモンも任天堂ソフト・・・恐るべし任天堂・・・(笑)そんな皆を楽しませるゲーム開発、みんなの笑顔を求めて熱く爽やかに疾走していたのでしょうか。テトリスで人を熱くさせる夢に思いを馳せていたのでしょうか。

いいえ、恐ろしい泥沼がありました。

泥沼テトリス版権戦争勃発

任天堂が版権を獲得した経緯

どろどろの企業間戦争の幕開けです。あまりにもややこしく他企業が絡むので箇条書きで上から下に読めば流れが分かる形にします。

  1. ソビエト連邦のコンピュータ技師アレクセイ・パジトノフがメインでテトリス開発。
  2. ソフトがソ連からハンガリーに密輸されヨーロッパ全土に拡散。(闇)
  3. イギリスアンドロメダ社が何故かテトリス版権所有。(闇)
  4. イギリスのミラーソフト社、アンドロメダ社からライセンスを得て製品販売。(闇)
  5. ソ連外国貿易協会、通称ELORG社が海外への販売権を獲得。
    ソ連は社会主義の為、私的なビジネスは違法な為、ロシア科学アカデミー勤務の開発者ではなく権利は国が所有する事に。
  6. ソ連ELORG社、イギリスアンドロメダ社の不正に気付く。やっとこさ正式契約。範囲はIBMパソコン互換機用だけ。(ここ重要)
  7. スペクトラム・ホロバイト社が版権をバレットプルーフ・ソフトウェア社にサブライセンスを与える。バレットプルーフ社、日本での販売を目論む。
  8. ミラーソフトはアメリカと日本での販売を狙うアタリ社とサブライセンス契約。
  9. 任天堂ゲームボーイで発売を目論むバレットプルーフ・ソフトウェア社、ELORG社から携帯機用のテトリスの版権を入手する必要有り。
  10. バレットプルーフ・ソフトウェア社のヘンク・ロジャース、モスクワに向かい許可なく直接交渉強行。
  11. ロジャース、アンドロメダ社のロバート・シュタインとミラーソフト社のケヴィン・マクスウェルと鉢合わせ。(泥沼)
  12. ロジャース、約2時間の会合をセッティング。結果バレットプルーフ・ソフトウェア社が家庭用ゲーム機版権獲得。
  13. バレットプルーフ、ゲームボーイ用テトリスの開発を計画する任天堂と共同開発取引。
  14. バレットプルーフがELORG社と独占契約したおかげで日本でアーケード版テトリスを出し、子会社テンゲンから家庭用テトリスを発売していたアタリ社動揺。
  15. バレットプルーフと商談を進めていた任天堂、アタリ社の販売を裁判に持ち込み、任天堂勝訴。
  16. そんなこと露知らず版権を持っていると思い込むセガ。脇が甘い愛嬌のあるセガはアーケード版テトリスをリリース。更に勘違いしたままメガドライブ版作成
    セガのメガドライブ版テトリス、訳が分からぬまま速攻で販売中止。このテトリス事件でセガと任天堂に大きな遺恨を残す。
  17. バレットプルーフ・ソフトウェア社&任天堂、テトリス戦争の覇者となる。
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結論としてセガが可愛すぎると思うのは私だけでしょうか。足掻くこともなく蒸発させられました。(笑)なぜこんなセガは平和に過ごしたのかというと、セガはアーケード版リリースの際、「テンゲン」からライセンスを受けたのですが、

そのテンゲンはどのようにライセンスを獲得していたかというと、

【ELORG→アンドロメダ→ミラーソフト→アタリゲームス→テンゲン】という流れです。最上流であるELORGからライセンスを受けたアンドロメダ社、この会社のライセンスは・・・

IBMパソコン互換機用だけでしたよね。(笑)

このように版権の流れ過ぎのせいでセガは「ぼくライセンスもってる!」となったのでしょう・・・かわいい。かわいいよセガ。

意図の糸管理者はセガの熱狂的なファンです。こういう何かわからないけど淘汰される所も大好きです。

通信対戦の発祥まとめ

さて、いかがだったでしょうか。かなり本気の大人の戦争の末、テトリスゲームボーイで発売できた任天堂ですが、私の感想としては当時の任天堂はやはり時代の最先端を進んでいました。

そんな任天堂がゲームボーイという携帯型コンソール機で開発したからこそ、テトリスに通信対戦機能が付いたのではないでしょうか。

そしてこの業界的大成功があったからこそ任天堂は「通信によりゲームの楽しみをシェアする」事の重要性を捉え、後のポケットモンスター等通信があるからこそ楽しみが最大化するゲームが世に出たのではないでしょうか。

更にその功績から、ゲームには通信機能が無いと面白みが半減するという風潮まで生まれ始めた昨今。こんなゲーム業界事情の先駆けとなった「任天堂はやはり偉大」の一言ですよね。

もし別の会社がテトリスのライセンスを取得していたらどうなっていたのでしょうか。私は今とは大きくは違わないけど少しだけ異なった文化があるんじゃないかなと感じます。

今私たちが生きているこの世界は幾通りもあった可能性の中から唯一選ばれた糸で織られている世界です。そんな世界を生きられる私たち自身は、いうなれば【奇跡】だとは思いませんか?

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