サラリーマンの必須アイテムの一つでもあるネクタイ。
ネクタイを締めれば身も心も引き締まった感じになり、仕事を頑張ろうという気持ちになります。
ネクタイはこのようなビジネスシーンでも、またカジュアルシーンでも活用する場が多々ありますので、とても重要なアイテムと言うことができます。
今回は何気に締めていても実は重要なアイテムであるネクタイの起源についてお話します。
ネクタイ発祥起源の複数説
ネクタイの誕生説は色々とあります。まずは、17世紀ヨーロッパ誕生説から入りましょう。
兵士のスカーフ起源説
17世紀ごろのフランス国王であったルイ13世。
このルイ13世国王を守衛するためにフランスを訪れていたクロアチア人兵士が首に巻いていたスカーフがネクタイの起源だという説です。
クロアチア人が首に巻いていたスカーフは妻や恋人が贈ったもので、そこには兵士の無事を願う想いが込められていました。
それを見たルイ13世の息子であるルイ14世がスカーフのことについて部下に尋ねたところ部下は「あれはクロアチアの兵士です」と何を指しての質問かを勘違いし、頓珍漢な答えを言ってしまったために、クロアチア人の兵士を意味するクラバットがスカーフという意味を持つことになりました。
クラバットとは17世紀から19世紀にかけて、ヨーロッパの男性が身に着けたスカーフのことでネクタイも意味するフランス語ですね。
古代エジプト起源説
紀元前1737年に古代エジプトの王であるファラオは、ヨセフに金の首飾りを与えました。
ヨセフとはユダヤ人の祖であるヤコブの子供で、イスラエル人を大飢饉から救ったと言われる人物です。
ファラオはそのヨセフを、自分に次ぐ第二の古代エジプトの支配者として認め、その印として金の首飾りを与えました。
首飾りは当時の古代エジプトでは権威の象徴として扱われ、また国王であるファラオからの信頼を得ている証でもありました。
この首飾りがネクタイの起源という説です。
中国の始皇帝が起源説
1974年に始皇帝の兵馬俑が発見されましたが、その兵士の首には布が巻いてありました。
当時の兵士が巻いていた布には、その者が軍の指揮下にある従属の者としての意味がありました。
首に巻いた布で自分が何者なのか、また誰の部下であるのかというのを他者に知らせることができたのです。
この兵馬俑の巻いた布こそがネクタイの起源だという説です。
ちなみに兵馬俑とは、古代中国において死者を弔うときに一緒に埋葬した兵士や馬をかたどった明器です。
日本では古墳に一緒に埋葬される埴輪のようなものでしょうか。
ネクタイ起源まとめ
こうしてネクタイには様々な起源がありますが、有力な説は最初の説のクロアチア兵=クラバットのようです。
ヨーロッパにおいて、無事を願うクラバットは次第に意味合いを変えていき、レースやシルクのリボン風のネクタイとしてオシャレとして身に着けるものとなっていきました。
産業革命後には原材料の布も大量にある時代になりましたので、多くのネクタイが作られ、デザインも様々なものが生まれました。
そしてネクタイは、海を渡り、1926年にアメリカにおいてそのまま巻いていた布を3等分に折って、エレガントな形をした、かつ型崩れしない現在のデザインのようなネクタイが生み出されたのです。
普段何気なく締めているネクタイも歴史を辿ると実に興味深いものでした。
最近ではクールビズやビジネスカジュアルを導入する企業も多くなり、ネクタイを締める機会も減っている方も多いと思います。
今日は仕事をやる気が出ないなぁという日には、たまにはネクタイを締めて出勤するのもありかもしれませんね。