報連相が持つ本来の意味を知る。意味がないかどうかは重要ではない。

社会人になれば嫌でも耳にする言葉「ほうれんそう」。

この言葉の意味を直訳的に捉えれば、「報告・連絡・相談をしっかりと」という事ですよね。そしてこの文面上の意味を捉えるだけなら、明確な効果を感じないかもしれません。

中には「報連相は意味がない」とおっしゃる方もチラホラ。

しかしこの言葉の起源というと全く意味が異なります。報連相本来の意味を理解すれば、副次的な効果であなたのビジネスマンライフがいい方向に向かうかもしれません。

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報連相の真意

報連相で強靭な組織力を作る

近年では、上司が部下に対し「報連相を怠るな!」と【情報共有を重要視しろ】という躾の一環の意味合いでこの言葉が使われますよね。これは山崎富治氏が言葉に込めた意味とかけ離れています。本当の意味は

「管理職が聞きたくない情報を遠ざけず、積極的に問題解決に取り組み、古株社員でなくても、末端社員であっても容易に【報告・連絡・相談】ができる風通し良い職場環境を作ろう」

という事です。つまり部下の情報共有義務ではなく、「管理職より」の言葉だと言う事です。正しい「ほうれんそう」を表現するなら

「困ってる事ないか?何でも教えてくれ。一人で抱え込まずに一緒に解決して行こう!」と上司が分け隔てなく部下に声かけをすべきなのです。上に立つ者としての器も試される事は容易に想像できますね。

時の流れを経て、本来持っている真意が失われるケースというものがあります。

「たらい回しの語源」などがまさにそれですね。本来使われていた意味と現代では真逆に近いものとなっています。是非読んでみてください。

知っているようで知らない。たらい回しの語源を深く解説

発案者、山崎富治

山種証券の創業者である山崎種二の二男として生まれた人です。山種証券とは現在のSMBCフレンド証券で、準大手証券会社となります。

父の山崎種二氏は米相場、といってもFXの米ドルクロス円の様な外貨為替ではありません。(笑)お米の価値の上下を見極め取引をしていた伝説的相場師です。

そんな父から会社を受け継いだ山崎富治氏は非常に暖かい心の持ち主で、いつも家族、社員の幸せを願っており人望の厚い存在でした。本来、経営者とはこのような存在でないといけないと私は思います。

そして山崎富治氏は経営者としての自分の能力をこう評価しています。

「私にはそれほどの才能もない。」と。とても謙虚な人柄であることが分かりますね。

男性社員の横でOKサインを出す女性社員

悩みから閃いた「ほうれんそう」

この言葉を思いついた時のことは、山種証券の社史に記載されています。そしてこの社史に毎日新聞の切り抜き写真が掲載されているのですが、その記事には「報連相」が思いついた状況が書かれています。思いついた時とは・・・

「雨の日の日曜日に自宅でぼんやりしていて思いついた。」

となっています。こんな偉大な言葉なのに何気ない瞬間に生まれてるんですね。(笑)

最高のアイデアは意外とリラックスしている時に浮かぶ事が多いという話はよく聞きますもんね。(笑)ちなみにこの記事は、朝日新聞の1982年2月26日付の新聞に掲載されています。

ぼんやりとしていた。と本人は語っていますが彼はいつもこう悩んでいたそうです。

「いかに多くの知識を集め、社員の力を合わせるかが、経営者としての私の大事な努めでもあった。下からの意見をどう吸い上げるか、みんなが働きやすい環境をどうやって作り上げるか、暖かい円滑な人間関係をどう作るか、少数精鋭で社員一人ひとりに厚く感謝し報いるにはどうすればよいのか。」

果たして現代の経営者でこの精神に則っている方はどれほどおられるでしょうか。関わる人々の幸せを願う暖かい生き様が溢れていますね。

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「報・連・相」直接的な意味の説明

報告とは

主に上司からの業務命令に対する進捗状況や業務改善であれば、効果測定の結果を正しくとりまとめ、伝える事を言います。

連絡とは

業務中に得た情報を共有する事です。例えるなら他部署との連携が必要な案件で他部署の動きや状況を時部署に伝える事などが連絡にあたります。個人的意見を排除し、端的に事実のみを伝えます。

相談とは

業務遂行中に、自分では業務的判断をし切れない時や、取り組み案件の方向性に不安がある状況時に上司、先輩、同僚に参考意見を聞く事です。

報連相の本来の効果

事象発生時とその情報が関係者に伝達される速度の遅延が最大限小さくなる事が本来の姿です。前述の通り、「報告・連絡・相談」のしやすい環境を作り上げる事で業務にスピード感が生まれます。

また細かな情報がリアルタイムで入ってくる為、いわゆる「適材適所」を実施する事が可能になります。人間だれしもが得手不得手を持っており現在の采配が最適でない事は「報告・連絡・相談」無しでは分かりません。

事実を迅速に知る、事も「ほうれんそう」の効果の一部ですが、本当の目的はこのような情報から状況を分析し、「組織内を最適化」できる事に最大のメリットがあります。

山崎富治氏は組織を最適化する事により、個性のある社員がストレスなく働ける状況を作り、皆が一生懸命業務に取り組めて、楽しめて、笑顔になれる。そんな環境を「報連相」に託したのかもしれませんね。

この由来、真意、あるべき姿を知る事であなたの報告・連絡・相談のハードルが一気に下がったのではないのでしょうか。悪い事を報告するのは悪ではありません。仕事で失敗をした事が悪ではありません。

起きた事象を正しく伝えるあなたの行動は、間違いなく組織を「最適化」へと向かわせます。この記事を読んで、明日からのビジネスライフが少しでも熱くなられる方がいる事を願っています。頑張れ企業戦士達!!

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