夜空を見上げるといつもそこにある月。
満月や半月など日によってさまざまな姿を見せ、神秘的な月は私たちを楽しませてくれます。
お月見など日本人は昔から月と親しみながら暮らしてきました。
月の満ち欠けや、どのように光っているかなどは学校でも習う内容ですが、なぜ月が「つき」という名前であるかは学校では習いませんよね。
月が「月」と呼ばれるようになったのにはどんな理由があるのでしょうか。語源と理由を見ていきましょう。
目次
月の語源
月は太陽の光を受けて光っています。また、一日の中で月は太陽が沈んでからでてきますよね。
そのことから太陽に次いで光る→次→つき(月)になったと言われています。
自然の流れがそのまま月という言葉になったのですね。美しい由来です。
この他にも月は日々満ち欠けしており、一か月に一回は新月となり光が失われます。
このことから、光が尽きる→尽き→月となったといわれる説もあります。ですが、一般的には先に述べた、次→月の説が有力だといわれています。
月の満ち欠けの読み方・呼び名の由来
月には新月~満月まで様々な形があります。
そしてそれぞれに名前がついています。この名前も適当につけられたものではなく意味が存在するんですよ。
その中からいくつか有名なものを抜粋して紹介していこうと思います。
新月(朔)
月が見えない状態のことです。月はこの日を周期の一番始めの日としています。昔は現在のようなカレンダーが存在しておらず、この新月を毎月の始まりとしていました。新しい月の始まりを意味することから新月と呼ばれるようになったのですね。
三日月
新月から数えて三日目の月のことで、細長い状態です。三日月には「初月(ういづき)」という呼び名もあり、その月で、初めて光る月をみることができたのが三日目だったためこの名がつけられたといわれています。
上弦の月
7~8日目の月で「半月」とも呼ばれています。ちょうど半分月が光って見えている状態で、この形が弓に張られている弦に似ているためこの名がつけられました。ちなみに、新月から満月に向かうときは上弦の月、満月から新月へと向かうときは上弦の反対で、下弦の月と呼ばれます。
十三夜月
13日目の月で、満月の次に美しいとされています。読みは難しく考えず素直に「じゅうさんやづき」です。十三夜に月見をする風習は現在でもあり、その際には栗や枝豆をお供えします。そのため「栗名月(くりめいげつ)」や「豆名月(まめめいげつ)」なんて呼び名も存在します。
満月
月がまんまるで、全体が光が満ちている状態のためこう呼ばれました。新月から数えて15日目に満月になることから「十五夜」という言葉が生まれました。
夜の暗闇に太陽を最も強く反射して、最も強く夜を照らす満月、やはりその美しさは格別ですよね。
十六夜
いざよいとも呼ばれる、16日目、つまり満月の次の日の月のことです。満月よりも月がでてくるのが遅れるため、ためらうという意味がある「いざよい」と呼ばれるようになりました。
有明の月
26日目ごろの月です。この頃になると、月が真夜中ではなく有明(夜明け)に昇ってくるためこう呼ばれることになりました。ちょうど形が三日月を反対にしたものであることから「逆三日月」とも呼ばれます。
三十日(みそか)月
30日目の月のことでほとんど新月に近い状態です。月が闇にこもってしまうことから、「つきがこもる」→「晦(つごもり)」→「晦日(みそか)」とも言われています。現在ではカレンダーがありますので、毎月の終わりの日を晦日、一年の終わりの日を大晦日と呼んでいますね。
月の名前は自然を楽しむ趣き深いもの
月の語源、いかがでしたでしょうか。
星の名前によくあるような神話などからきたのではなく、自然の流れがそのまま月という名前になったところが、いかにも日本らしくて素敵でしたね。
一言に月といっても、色々な形や名前があり、それぞれには意味が存在していました。
人々の活動が緩やかで静まる深い夜に、ひっそりと力強く輝く「月」とても神秘的で私はとても大好きです。
この記事を読んでいただいたら月を眺める新しい視点ができたのではないでしょうか。今夜から月を見るのがまた一段と楽しみになってきますね。