おやつ、その語源。由来は昔の時計に、理由は生活環境に隠れていた。

子供も大人もみんな大好きな「おやつ」。言葉を聞いただけで少し心が嬉しくなるような魔法の言葉ですよね。

この「おやつ」なんでこう呼ばれるのかご存知でしょうか。この言葉には昔の人々の生活習慣が隠れていたんですね。

何にでも好奇心旺盛なお子様とそんな話をしながらおやつを食べてみるのも楽しいものかもしれませんよ。

スポンサーリンク

おやつの語源は和時計にある

和時計の概要

和時計とは江戸時代から明治初期にかけて作製、使用された時計で現代の時計とは全く読み方が異なります。

この和時計は不定時法を表示する為の機構を持つ珍しい時計となります。今の様な、明確に1日24時間で1時間は60分で・・・という基準が和時計にはありませんでした。

不定時法とは

昼間を6等分、夜間を6等分する時間概念の基に設定された時間基準です。定時法で育ったあなたは今違和感を感じませんでしたか?

それは正しい感覚で小学校の理科でも習うように、地球は地軸が傾いた状態で公転している為、昼と夜の時間が徐々に変わっていきます。

そういった点から不定時法が現代に採用され、「日の出前の空が白み始める【薄明】に出勤、日が暮れる事で人の顔が見え難くなる事から来る【誰そ彼(たそがれ)】で退勤」とされた場合、夏は長く働き、冬は労働時間が短いという事になります。

和時計における時刻の呼び方

これは二種類あります。ひとつは「干支で呼ぶ方法」。誰でも聞いたことがあると思います。そう、「丑三つ刻」と聞いたことがありますよね?これは刻の読み方の派生で、一刻を4等分にして表現する方法もあった為です。

つまり「丑の刻」の時間帯を「四つに割った内の三つ目」の刻という事ですね。

そしてもう1つが、「四から九までを使った呼び方」です。現在の時計の12時と6時、つまり最上部と最下部を【九】としそこから八→七→六→五→四、と四まで下がった次は再び【九】へと戻ります。

読みとしては「ここのつどき」、「やつどき」、「むつどき」・・・気が付きましたか?

おやつの語源と起源

響き通りの「八つ刻」

未の刻は現在の時間で、およそ「午後2時から午後4時」あたりの事となりますが、別の呼び方をしますとこの時間帯は「やつどき」です。語源はここにあります。あたまに「御」をつけるのはお寺の修行僧に午後2時頃、修行開始の合図を太鼓で送っていました。

その太鼓を「お八つの太鼓」と呼んでおり、この呼び方が広まっていきました。この事から「八つ刻」に接頭語の「お」をつけ「おやつ」の言葉が生まれました。

田園でおにぎりを嬉しそうに食べる女の子

昔の食事は朝夕二食

二食生活の背景

昔の日本人の生活は、朝と夕方の一日二食が基本リズムとなっていました。これは昔の時代は照明が発達していなく、夜眠りに就くのが早かった為だと思います。

照明の無い山奥を想像していただければ分かると思いますが、照明の無い夜は本当に目を凝らしても手元が見えない程の闇になります。更に今の時代のようにパソコンやソマホ、ゲーム機なんてないですから暗くなれば寝るしかありませんよね。(笑)

つまり現代の日本人より、昔の日本人は活動時間が短かったという事。そしてその活動時間内では本格的な食事は二食で事足りていたのでしょう。

しかし昔の人も同じ人間です。朝ごはんの後、夕飯まで何も食べないとなると血糖値が低下し労働効率も下がります。

そこで午後二時頃に休憩時間を設け、中食(ちゅうじき)や間食(かんじき)という呼び名の軽食を取っています。ここで間食(かんしょく)と同じ書き言葉はあったんですね。

地方によっては、小昼(こびる)と呼ぶ事もありますが、朝と夕の間の軽食を指すことは同じです。

三食になったきっかけ

労いの気持ちを込めた食事から

まず、一日三食が普及し始めたのは元禄の頃(1688年~1704年)とされています。この時、江戸の大半を焦土と化した明暦の大火(1657年3月2日)という大火事が起こります。

この時に江戸の復旧の為に尽力した職人達に昼食を振舞い、これが間食ではなくメインの昼食としての食文化が始まったきっかけとなっています。

スポンサーリンク

蝋燭が庶民に普及し始める

江戸時代以前には提灯や行燈は上流階級が祭礼や儀式などに使用され、照明としての普及はまだまだしておらず、庶民の照明事情はまだまだ未発達でした。

しかし江戸時代に入り、次第に蝋燭が庶民の間にも普及し始め、その結果人間の活動時間が徐々に伸び始めます。前項での記述の通り、二食である理由は「活動時間が短い為」であるが故ですので、活動時間が延びれば当然エネルギーが必要になります。

そして、明暦の大火で昼食が振舞われていた背景も相まって、次第に朝、昼、晩の食事リズムが定着し始めます。このような流れで食べ物を口にする回数が増えるのは今も昔も同じですね。長く起きればお腹は空く。(笑)

今は照明が発達しきっているので、深夜まで起きている人も多くその結果、夜食までもが発生しています。こう考えると昔の人は現代人よりもスリムな人が多かったのではないでしょうか?(笑)太らない為の食事法の究極はやはり「食べ過ぎない」ですからね。(笑)

おやつの語源と由来まとめ

  • 昔の時計、「和時計」の「八つ刻」に軽食を取っていた事から「おやつ」となる
  • 昔は一日二食で、おやつは嗜好品を楽しむのではなく、重要な補給の役割
  • 照明もなく、活動時間が短い昔の生活リズムでは一日二食で事足りた
  • 明暦の大火の復旧工事をしていた職人達に、昼食を振るまった事が一日三食の先駆け
  • 照明器具発展に伴い、人間の活動時間が次第に伸び、二食で足りなくなってきた
  • 食事と食事の間の八つ時に食べる間食を「おやつ」と呼んでいた文化だけ生き残り、間食は総括して「おやつ」となる

昔の人にとっては「おやつ」とは子供を喜ばせるだけの物ではなく、しっかりと質の高い仕事をこなす為の重要な「エネルギー充填時間」だったんですね。

言葉が生まれた最初の意味合いとは異なった意味を持つようになった「おやつ」。このように由来とは違った意味で存続する言葉が私達の生きている現代からも排出されるのでしょうか。

また、これから現代の文明に当てはめて新しい文化風習を指し示す言葉が生まれる事もあると思います。そんな「時代を映し出す言葉」、何一つ無駄にせず全てを楽しんで時代を進んで行きたいですよね。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。