今はどの世代の人にも浸透しつつある“ニート”という言葉。私たちはニートという言葉を、定職に就いていない人、仕事をしていない人といった意味で捉えています。
どんな理由があったとしても、確実にマイナスなイメージで発言する言葉ですよね。
ではそもそもニートという言葉はどうやって生まれたのでしょうか?早速ニートの語源を知っていきましょう。
目次
ニートの言葉の語源とは?
ニートの言葉の語源はイギリスだった!
ニートという言葉はイギリスで生まれました。Not in Education,Employment or Trainingのそれぞれ頭文字をとって「NEET(ニート)」と呼ばれるようになりました。
無駄にカッコいいですね。
イギリスの労働政策に使われていた
ニートという言葉はイギリスの労働政策の中で使われてきました。そこでは主に“16~18歳の教育機関に所属せず、雇用されておらず、職業訓練に参加していない者”を指します。これがイギリス政府が作成した「ギャップ(格差)を埋める」調査報告書の中で使われたことが始まりです。
ニートという言葉が生まれたイギリスの労働政策って?
イギリスでは1970年代から製造業の衰退が深刻化しており、さらにサッチャー政権により雇用は今までの1/4に減り、若者の従業率が著しく低下していきました。そこで若者の職業訓練に力を入れるようになりました。
なぜ日本でニートという言葉が浸透したのか
もともとイギリスで使われていたニートという言葉が、どうして日本に浸透したのでしょうか?
労働意欲がない人のことをニートと呼んだのが始まり
日本労働研究機構が若者の就業支援の政策でニートという言葉を紹介したことが始まりです。日本のニートはイギリスのニートとは異なり、社会活動に参加していないため、現在の就業支援の政策では十分に活性化できていない存在として定義されています。年齢などは言われていないのです。
その後ニートという言葉はネガティブなイメージに
ニートを題材にしたテレビ番組で、ニートとして取材を受けた男性が“働いたら負けかなと思っている”などと発言したことから、就労意欲のない人、やる気のないものなどのネガティブなイメージがついてしまったのです。
そもそもを辿れば、「働く気のない人」ということでは断じてないんです。マスコミの影響力は恐ろしいもので、現代はまだ情報を吟味する目を養い始めたため鵜呑みにされることはありませんが、それでもやはり
「マスコミ報道」=「限りなく実態に近い」と知識の刷り込みが行われてしまう事が多いんですね。
ニートという言葉が変わりつつある
一度ネガティブなイメージを持った言葉はそのイメージを払拭することは難しいです。最近ではニートに代わる言葉が使われるようになってきました。
呼称変更に効果はあるの?
大阪府がニートに変わる言葉を発表したことにより、ニートという言葉は消えつつあるのでしょうか。Yahoo!で呼称変更の効果によるアンケートを行ったところ、効果があると答えたのはわずか6%で、その他は効果が無い、と答えました。
呼称変更に効果が出てくるのはまだ時間がかかりそうです。
まず、呼び方を変えたところで生き方のスタイルが変わっていなかったら、今度は新しいニートの呼称がネガティブなイメージになっていくだけなのでは・・・と思ってしまいます。
現在ではレイブルと言った言葉に
大阪府はニートに変わる言葉としてレイブルという言葉を発表しました。レイブルとはレイトブルーマーの略で大器晩成や遅咲きを意味します。
なんという優しさでしょう。しかし、これを逆手にとって「俺はレイトブルーマーだからまだこのままでいいんだよ!」なんてことにならないのを願うばかりですね・・・(笑)
少しずつでもポジティブなイメージのレイブルが浸透していくと良いですね!