正々堂々は兵法だった?由来や語源と、正々堂々にある真意を読み解く

「正々堂々」の意味は読んで字のごとく、公正で偽りなく、卑怯なことなどをせずに真正面から物事を行なうこと、 正しく整っていて、勢いの盛んなさまのことをいいます。

人生の座右の銘とされている方も多いのではないでしょうか。

ではなぜ「正々堂々」という言葉が生まれたのかにも注目してみましょう。

今回は、この「正々堂々」の語源と由来についてお話したいと思います。

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中国の兵法書で登場

正々堂々は負けない心得

「正々堂々」は、紀元前500年ごろの中国春秋時代の軍事思想家孫武の兵法書である孫子においてその言葉が出てきます。

孫武は孫子の軍争篇において、「正正の旗を邀ふる無く、堂堂の陣を撃つ無し、此れ変を治むる者なり。」と説きました。

この意味は、正正の旗を邀ふる無く=正しく旗の列が整っていること、堂堂の陣を撃つ無し=士気の高い軍隊のことを意味します。

つまり、正しく旗の列が整っている敵を迎えること無く、士気の高い軍隊(敵)を撃つこと無きが変を治める者となります。

孫武は兵法書のなかで、旗の列がしっかりと整っているような軍隊を迎え撃ってはいけない、士気の高い軍隊を攻めてはいけないと言っているのです。

つまり、正正堂堂な軍隊と戦うとそれは負け戦になるということなのです。

静かに佇む正々堂々とした三人の武者

現在の意味に近い正々堂々の起源

前項で記述したとおり、孫武の兵法書は戦に勝つための方法を説いているのではなく、どちらかと言いますと戦に負けないための方法を「正々堂々」と説いているのですね。

少し話はそれましたが、このように「正々堂々」という言葉は昔からあったことは確認できます。

ただ、これだけでは、現在の「正々堂々」の意味する、公正で偽りなく、卑怯なことなどをせずに真正面から物事を行なうこと、に関しては孫武の説いた兵法とは少し結びつかない気がします。

もう少し詳しく調べてみますと、孫武の「正正の旗を邀ふる無く、堂堂の陣を撃つ無し」には「正正の旗」=正義の旗のもとに正義のために戦う軍隊、「堂堂の陣」=規律正しく、団結が堅い軍隊という意味が込められていました。

敵と思っていた軍隊であれ、実は「我に正義あり」いう大義名分のもと戦っていたのです。

そして孫武はそのような志を持った軍隊が正しく整っていて、勢いもあるのであれば戦うべきではないといっているのです。

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正々堂々はやはり志や姿勢を指す

戦や戦争なんてものはどちらが正義でどちらが悪かなんて関係なく、当事者同士にとってはどちらも自分たちが正義だと信じて戦っているものです。

孫武はあくまで第三者的な目線でどちらの軍隊であろうと正しく整っていて、勢いもある信念を強く持った相手であれば戦うべきではないと言っているのでした。

正々堂々の語源まとめ

ここまで読み解いていくと確かに、「正々堂々」という言葉の意味が「公正で偽りなく、卑怯なことなどをせずに真正面から物事を行なうこと」となるのが分かった気がします。

戦では、公正で偽りなく、卑怯なことをせずに規律が守られ、士気の高い軍隊が勝つのですから、つまり「正々堂々」はそれだけ崇高な言葉ですよね。

現代においては、いかに他人を出し抜いて自分だけが成功するかのような考えを持った人たちも多く存在します。

でもそういう人間になるのではなく、何事にも「正々堂々」な自分をしっかりともって生きていきたいですよね。

「正々堂々」と人の道を全うしている人は、とても魅力的で人が集まりその結果きっと素晴らしい道を歩んで行けるはずですから。

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