「泥棒」とは皆さんご存知のとおり、人の物を盗むこと、またその行為を行う人を言います。
では、なぜ「泥棒」と言うのでしょうか?
もともと泥棒の語源に関しましては、諸説あるようでこの説が正しいというのはありません。
今回はいくつかの語源について紹介させていただきます。
泥棒の語源、複数紹介
押し取り坊の当て字説
まずは有名な説としまして、泥棒は、無理矢理に奪い取るという意味の「押し取り」に、人を意味する「坊」を付けて「押し取り坊」と言い、この「押し取り坊」が転じて泥棒となった説です。
「坊」が「棒」になるのは分かるとして「押し取り」が「泥」になるのは何となく腑に落ちない物があります。
「押し取り坊」ではなく「取り坊」なら音の響き的に腑に落ちた惜しい所ですね。
そういった若干のこじつけ感のある語源では「野次馬」もそうですよね。やんちゃな馬が語源かもしれないとの説がありますが・・・まとめていますので良ければ読んでみてください。
野次馬の意味とその由来。馬社会も色々。馬には馬の悩みがあるのか。
取り奪うが訛って泥棒に変わった説
人の物を奪い取ることから取って奪う→とりうばう→泥棒となった説が二つ目の説となります。
これはどちらの説にしても泥棒という漢字自体は当て字になるようです。
こちらは「とりうばう」が訛って「とりばう」のように聞こえたため、徐々に「とりばう」から「どりばう」→「どろばう」→「どろぼう」などの様に変化してきたのでしょうか。
「押し取り坊」よりもまだ「どろぼう」の音に聞こえる為、こちらの方があり得る話ではないかと思われます。
覆面の代わり説
人の物を盗むときに自分の正体がばれないように顔に泥を塗って変装をして、さらに盗みの道具として棒を使用したことから泥を顔に塗った人が棒を使ったということで泥棒となった説があります。
こちらの説ですと泥棒とそのままに漢字に出来ますので、当て字と言うことにはなりません。
泥棒の語源としましては、以上の三つとも、腑に落ちにくい部分はあれど、事実無根といった感じではございませんでした。
また、その他に面白い説がないか、泥棒に関する小ネタが無いか調べたところ次のような物が出てきました。
愛知生まれの泥棒語源
昔に愛知県がまだ三河と呼ばれていたころに、その三河の土呂という地方で一揆が起こりました。
一揆を起こした民衆は一揆に必要な金目の物や食料などを調達するために盗みを働きます。
この一揆を起こした民衆のことを土呂地方と掛けて「土呂坊」と呼びました。
この「土呂坊」が泥棒の語源だという説です。
地方や地名などが語源や由来というのは多々ありますので、土呂地方から生まれたというのもそうかもしれないと思ってしまいます。
ただし、一揆は昔には全国各地で起きていたものですし、一揆によって盗みが起こるなどというのは土呂地方だけではないと思いますので、土呂地方だけに限定するのは少し難しい気もします。
更にもう一つ、語源とは異なりますが、泥棒の元祖をご紹介します。
ギリシャ神話に元祖泥棒?
ギリシャ神話に登場しますオリンポス十二神の中に、情報の神と言われるヘルメスという神がいます。
ヘルメスは羽が生えていて、帽子を被りサンダルを履いている青年の容姿をしたゼウスとマイアの間に生まれた神です。
このヘルメスですが、旅人や商人の守護神とされていますが、それと同時に泥棒の守護神ともされているのです。
ヘルメスはもともと生まれた時からやんちゃでいたずら好きな性格で、生まれて間もなく揺りかごから逃走し、アポロン神が手塩に育てていた50頭の牛を盗むというとんでもないことを行うような神でした。
日本では泥棒と言えば五右衛門かルパン三世を思い浮かべる方が大多数だと思われますが、本家泥棒はギリシャ神話の神様だった可能性があるんですね。
泥棒の語源由来総括
泥棒の語源由来やちょっとした小話、いかがだったでしょうか。
まさか元祖泥棒はギリシャ神話だとは思いもよりませんでした。世界のどこにでも盗みを働く存在はいたということです(笑)
泥棒に関しまして、いくつか説を紹介してきましたが、確実な説はこれだ!と断定できる根拠はどのように調べても優位性のある根拠は導く出せませんでした。
恐らくどのような専門家も「こういわれている」といったところで止まってしまうと思われます。
確実な説の根拠はすでに泥棒によって盗まれてしまっていたんですね。引き続き調査を継続し情報泥棒を捕えた際には、またご報告できればと思います。(笑)