ビジネスシーンでは当たり前のように着られるスーツ。
物ごころついた時から父親が着用して仕事に出かける姿を目にしてきた人も多いと思われます。
このスーツは一体どうやって生まれてきたか考えた事はありますか?起源をたどればやはりそこには、上品ないでたちに相応しいスーツの起源がありました。
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当初は、普段着、寝間着、部屋着だった
英国貴族の朝の日課といえば乗馬でした。そして、そのまま宮中にあがることも多かったため、乗馬服が次第に礼服化していったものがモーニングコートです。
現在でも男性の昼間における最上級の礼服です。19世紀末期、英国でそのモーニングコートの後ろの裾を切ってできたラウンジ・スーツが現在のスーツの発祥起源です。
当初イギリスでラウンジ・スーツと呼ばれていた服は、堅苦しい場所でなく、ゆったりくつろげる社交室、休憩場所で着用されていました。
アメリカでも当初は、寝るときや部屋で過ごすとき、レジャーを楽しむときなどに着用されました。その後次第にビジネスウエアとして着られることが多くなっていきます。
現在のスーツは3スタイルが代表格
ブリティッシュスタイル
ビジネスウエアとしては、ブリティッシュが一番無難です。
前述しましたが、スーツはイギリスで貴族階級が宮廷に上がるための衣服、モーニングコートに起源をもちます。
そのため、3つの国のスタイルの中では、最もフォーマルな印象を与えます。男らしく胸元が強調され、全体的に落ち着いたデザインとなっています。
イタリアンスタイル
イタリアに入ってきたスーツは、1つの男性ファッションスタイルとして位置づけられていきました。
やわらか、上品でエレガント、自由な色使い、ゆったりとしたドレープ感といった特徴をもちます。着ている男性の個性をアピールする。
もっと言えばセクシーさを表現するファッションアイテムとしても着用されます。
アメリカンスタイル
人種のるつぼアメリカに来たスーツは様々な体型に対応するため、既製服、大量生産できるビジネスウエアとして発展していきます。
寸胴形のシルエットで活動性に重きが置かれています。ウエストの絞りもなく、フロントダーツもありません。
カジュアルな雰囲気のビジネスシーンに相応しいのがアメリカンスタイルといえます。
日本におけるスーツの普及
日本では洋服が正装と定められた西暦1871年(明治4年)からスーツが導入され始めました。
実際に普及したのは西暦1900年代(明治後期、大正期)になってからです。
日本にスーツが入ってきても、当初はまだまだ正装するときは和装が主流でした。明治後期から次第に洋装も増えてはきたのですが、戦前まではオーダーメイドであったため、なかなか庶民に手が届くものではない現実が当時にはありました。
戦後の経済復興、高度成長の時勢に大量生産の既製服のスーツが出回りはじめ、日本でも身近なビジネスウエアの位置を占めるようになっていった歴史があります。
スーツの発祥起源まとめ
- 19世紀末期、イギリスでモーニングコートの長い裾を切ったラウンジ・スーツが誕生
- 誕生当初は娯楽や談笑をゆったり行う場面で着用されていた
- アメリカに渡ってから次第にビジネスウエアとして着用されはじめた
- 現代、代表的なスーツスタイルは、ブリティッシュ、イタリアン、アメリカンの3つ
- 日本では明治初頭導入され始め、戦後大量生産されるようになって普及
男性なら特にスーツと言うものに対して一度は憧れを抱いた事があるのではないでしょうか?そう言う私もご多分にもれず、大学の入学式でスーツを着てネクタイを締めた時は、なんといいますか「大人の男」になったような気分になった事を覚えています。
(勿論今見ると子供が背伸びしてるようにしか見えないでしょうけれども・・・(笑))
今では普段着より着ている時間が長いのでは?と思うほど当たり前に着用するスーツ、どうせならスーツの生まれた国ヨーロッパの気品漂う様な紳士的なたち振舞いで着こなしたいものですね!