軽快な脚漕ぎで近場への移動ならかなり重宝する自転車。
また弁当と飲み物を持って遠くへのサイクリングなども楽しいものです。自転車で移動するだけでいつものお弁当が、ごちそうに変化するのはなぜでしょう?(笑)
免許も必要としないので、小さい子供から高齢の方まで誰でも気軽に扱えるというのも素晴らしい乗り物ですよね。
人力で移動する乗り物の中で最もエネルギー効率のいい乗り物だって知ってましたか?
今回はそんな素晴らしい乗り物、自転車の起源についてお話しします。
目次
自転車の発祥起源
現代のストライダーみたいなもの
自転車を初めに発明したのはドイツ人のカール・フォン・ドライスと言われています。
カール・フォン・ドライスが1817年にドライジーネと呼ばれる2つの車輪を縦に並べてフレームで接合することによってハンドルで方向操作ができる乗り物を発明しました。
その当時のフレームの原料は現在のように、スチール、アルミニウム合金、チタンのような金属製素材ではなく、木製でした。
そして現在では当たり前のように付いているペダルもなく、漕ぐことによって動力を発生させるのではなく、地面を足で蹴って前方向へと進むものでした。
それでも移動の速さはなかなかのもので、時速は最高15キロほど出ていたのではないかと言われています。
その時代の移動手段の発明としては画期的なものとなったのです。
当時の移動手段は主に馬車が主流でしたが、馬は生き物ですから餌が必要です。
ただ移動するだけなら自転車でいいわけですから、餌代がいらなくなりとても懐に優しい乗り物となったことでしょう。
22年も経過してからペダル実装
その後、自転車は1839年にイギリスのカークパトリック・マクミランによってペダルが取り付けられます。これがペダルの付いた自転車第1号と言われています。
カークパトリック・マクミランの自転車はペダルを取り付けた後輪駆動で、移動時に足が地面から離れるということでは現在の自転車により近づいたのではないでしょうか。
そして時が過ぎ、1861年にフランスのピエール・ミショーが前輪に直接ペダルを取り付けた自転車を発明します。
駆動方法は子供が乗る三輪車をイメージしていただけたら分かりやすいと思います。
ただそれでも乗り心地は全くよいものではありませんでした。
乗り心地を追求し現代の形へ
ミショーが発明した自転車は乗っている者の背骨をゆり動かすという意味で、ミショー型ボーンシェーカーとも呼ばれます。
現在のような道路がしっかりと整備されていない道路では固定されたサドルでは衝撃がそのままお尻に伝わっていたのですね。
のちにミショーはサドル部分に乗っているときの快適さを追求し、バネを取り付けることを考え出します。
バネの取り付けは素晴らしい発想です!
ピエール・ミショーはこの発明した自転車の大量生産に乗り出します。
その結果、これまでは上流貴族だけの乗り物であった自転車がより多くの人々の乗り物として広まっていきました。
日本に伝わった後、独自の自転車製造が始まる
日本に初めて自転車が伝わったのは、このピエール・ミショーが発明したミショー型ボーンシェーカーと言われています。
1865年~1868年に伝わったのですが、当時はどのように扱っていたのでしょうか。
興味がありますが、残念ながらそれ以上の記録は残っていないようです。
日本独自の自転車が作り始められたのは明治維新前後と言われています。当時は鍛冶職人や大工などが自転車を作っていたようです。
自転車は上流階級の乗り物だった
自転車はまだ貴重なものでしたので、記念日などのめったな事がないと撮らない記念写真などには、自転車も被写体として、一緒に撮ることも多かったそうです。
自転車に乗っている人たちは俗にハイカラだったわけですね。それもそのはず、日本で作られた当時の自転車はなんと車とそこまで大きな価格差は無い程に高価だったんです。
車と同じような金額設定でも売れる自転車って、考えてみればすごいですよね。それくらい画期的で魅力的な乗り物だったという事ですね。
その後、昭和初期にかけて日本でも自転車は普及していき、大衆の乗り物として認知されていくようになりました。
今では当たり前のように存在する自転車もこうして歴史を紐解いていくと「高級車」だったわけです。
自転車は自分の“相棒”として大切に、そして長く乗っていたいものですね。今一度、菜にも文句を言わず頑張ってくれているご自分の自転車に感謝の気持ちを持ってあげてくださいね。