包丁の語源から見えた、包丁が本来持っていた意味。

料理を作るのが好きな人、いや料理なんかしませんという人、いずれにも関わらずこれまでに包丁を手に持ったことがないという人はいないのではないでしょうか。そんな「包丁」という言葉の語源、ご存知でしょうか。

今では様々な種類の包丁がありますよね。

食肉を仕分ける牛刀や刺身を切るための刺身包丁、魚を解体するための出刃包丁などその種類は千差万別です。

今回はこの料理をするときに材料を切る道具として欠かせない包丁につきまして調べていきましょう。

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包丁を辞典で調べてみますと、誰もが分かりきっている以下の説明が出てきます。

  • 食材を切断または加工するための刃物

そのままの意味ですね。

では、ここからが本題です。なぜ包丁は包丁と呼ばれるようになったのでしょうか。単語を聞いて物はイメージはできますが、何故そう呼ぶかはあまり知られていません。

では本記事メインテーマに移りましょう。

まな板の上にある切ったねぎと包丁

包丁の語源、由来

包丁、元は料理人の意味

包丁は中国由来の言葉で、本来は包丁ではなく、「庖丁」と書いたそうです。

庖とは台所を意味する言葉です。丁はそこで働く人や使用人を意味します。

転じて庖丁とは料理人を指す言葉になります。

この料理人が食材を加工する時に使用する刀の事を、庖丁刀と言うようになりまして、
時代が進むにつれて庖丁刀の刀の部分を省くようになり、庖丁=包丁と言うようになりました。

元の単語からある部分が消滅して別の単語となるケースはアジアだけでなく欧米諸国の言語でもよくある事ですよね!

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荘子の書物出典説

庖丁刀=包丁となる源が荘子の書物にあります。

中国の戦国時代の思想家で荘子という人物がいました。

この荘子の書物の中で、庖丁(庖とは台所を意味し、丁とはそこで働く人、使用人を意味する)が魏の国の王様である文恵君に牛を料理して見せたという一文があります。その腕前は見事なまでに素晴らしく牛を捌く姿は音楽を奏でるように優雅でリズミカルでした。

これを見た文恵君は、「これは見事だ。技も極めていくとこれほどの境地に達するものなのか」と褒め称えました。

しかし、庖丁は喜ぶどころか、「私は技というものには興味がありません。ただただその道を追求しているのです」と返しました。

そこで文恵君は道に通ずる思いを知ってさらに感嘆するのです。

この出典から庖丁の使用した刀を庖丁刀と言うようになり、時代が進むにつれて、最後の文字の刀を省くようになって庖丁と呼ばれるようになりました。

包丁の語源、本来の意味まとめ

このように今回は包丁の語源について調べてみました。包丁とは

  • 庖が台所、丁がそこで働く人や使用人を指す
  • つまり庖丁は台所を労働場所とする人=料理人
  • 庖丁が使う刀という事で、庖丁刀という言葉が存在した
  • 時代を経て庖が包に代わり、刀を略して包丁という言葉が浸透した

包丁にはその扱う技術だけではなく、その心構えや思いが詰まっていたのですね。

包丁の語源が分かると料理をする時の心構えも少しは変わってくるのではないでしょうか?(笑)

今日の料理は包丁に敬意を表す意味で、もう一品増やしてみてはいかがですか。

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